セールスフォースとキントーン、DXを推進する上でどちらも非常に有効的なツールですが、どんな違いがあるか分からない人は多いはず。
2ツールは完全競合にあたり、どちらを選んでもやりたい事を叶えることが可能なのですが、それぞれに特徴があります。
特に大きな違いや、どんな法人がどのツールを選ぶべきかのポイントを理解できるよう、両サービスの構築、運用経験を活かして体系的に情報提供を行います。
セールスフォースとキントーンを比較した上で特に大きな違いが分かる表
どちらも機能面では同じことができるのですが、初めて両ツールを比較する人にとって、特に抑えて欲しい大きな粒度での違いをご紹介します。
セールスフォース | キントーン | |
デフォルト構造 | 対法人向け管理がしやすい構造 | 対法人向け管理、個人向け管理どちらも管理ができる構造 |
カスタマイズのし易さ | 専門知識や経験がないとカスタマイズがしにくい | 専門知識などがなくてもカスタマイズが簡単にできる |
サポート体制 | 初回質問はフォーム入力が基本 電話で問い合わせはこちらからはできない |
初回質問は電話で対応が可能 遠隔サポートもしてくれる |
以降で、それぞれの違いを詳しく解説します。
デフォルト構造の違い|法人向け事業はセールスフォースの方が管理しやすい
セールスフォース、キントーンどちらもエクセルでいう1ファイルと同じ単位の箱=データベースをいくつも組み合わせて、業務システムが構築できるツールです。
ただし、セールスフォースとキントーンはデフォルトの構造が異なり、
- セールスフォースは対法人向けの管理がやりやすい
- キントーンは対個人向けの管理がやりやすい
という特徴があります。
どちらのツールもカスタマイズすれば、個人向け、法人向け管理、それぞれに適用はできるのですが、以下、デフォルト構造の違いなどをみていきましょう。
セールスフォースは法人管理に向いている(SFAとして活用しやすい)
法人の場合は、見込者リスト(=リード)をつくって、アポイントをとって、商談を行い、受注するという業務が発生しますが、その業務を以下のような構造で、それぞれの情報を別々に管理することができるのがセールスフォースの特徴です。
テレアポリストをリードという箱で管理し、アポがとれたら取引開始という操作を行うことで、リードを法人の情報を管理する箱、法人の担当者を管理する箱、商談情報を管理する箱の3つに分解されます。
この構造を活用すれば、法人営業に必要な情報を管理しやすい、というのがセールスフォースの特徴です。
キントーンは個人向け管理がやりやすい
キントーンはセールスフォースと違って、デフォルトの構造がフラット(セールスフォースでいう取引開始をすると3つに分解されることがない)なので、セールスフォースよりも特に、個人向けの情報管理に向いています。
具体例として、ひとり親向けに塾を運用するNPOについて、どんな情報を管理すべきか?を考えてみます。
以上のように、人に関する情報と、人に紐づく様々な情報を管理する必要があるのが、個人向けの事業になりますが、キントーンを活用すると、以下のような仕組みを構築することができるのがキントーンの特徴です。
カスタマイズし易さの違い|やりたい機能を実装しやすいのはキントーン
セールスフォースより、キントーンの方が操作が簡単、分かりやすいと聞かれた方は多いかもしれませんが、どんなふうに違うかは、エクセルのファイルを作成するというシーンに当てはめると分かりやすいです。
キントーンはエクセル1ファイルをアプリと呼び、エクセル感覚で操作ができる
キントーンはアプリと呼ばれるエクセルでいう1ファイルを、いくつも作成することで業務システムが構築できるツールですが、キントーンの3大専門用語である、アプリ、レコード、フィールドというのは、エクセルに例えると以下のようになります。
以上のように、エクセルを基準にキントーンを理解することは容易で、エクセルと同じような感覚で操作をして、使いたい仕組みが実装できるのがキントーンになります。
セールスフォースはエクセル1ファイルをオブジェクトと呼び、他の専門用語の理解も必要になる
エクセルでいう1ファイル=キントーンでいう1アプリ=セールスフォースでいう1オブジェクトと、認識してください。
この知識だけで、セールスフォースで使いたい仕組みが実装できればいいのですが、実は、セールスフォースは、更に別の概念として、
- レコードタイプ=どの項目を表示させるか?
- ページレイアウト=どんな見せ方をするか?
という概念を覚える必要があります。
このように、セールスフォースの方が、より多くの専門用語を理解する必要性があり、その時点でカスタマイズのハードルが高くなるツールとなっています。
専門用語を理解した後に、どれくらい操作がしやすいか?という点についても、ここでは詳細割愛しますが、キントーンの方が操作がしやすいという特徴があります。
サポート体制の違い|電話で聴き放題のキントーンに分がある
それぞれのツールを導入したけど、不明点が出てきて、ググっても分からない。そんな時、セールスフォースは、フォームに細かく困った事を記入しないと、基本的には問い合わせができない体制になっています。
対して、キントーンは、どんなプランでも電話で問い合わせができるのがデフォルトであり、電話だけで解決しない場合は、遠隔サポートでパソコン画面を見ながら、疑問に答えてくれる神対応をしてくれる体制となっています。
2つの違いを比べると、サポート体制はキントーンに分があるのは明らかです。
セールスフォースが向いている法人とキントーンが向いている法人の特徴
実は私は、2つの会社を経営していて、1法人はセールスフォースを導入し、1法人はキントーンを導入しています。
2ツールの違いを踏まえて、各法人がどのツールを選ぶべきかのポイントをご紹介します。
釣りガイドとECを展開する法人(セールスフォースを利用)
キントーンの講座ビジネスを展開する法人(キントーンを利用)
BtoBを展開する中堅以上の企業はセールスフォースがおすすめ
BtoBで展開する、かつ、構築や運用を外部のプロに任せる財力がある、こういった法人はセールスフォースが向いている場合が多いです。
セールスフォースは難しいので、必ず構築や運用を外部に任せる選択肢を推奨しますが、例えば、初期構築の相場は1案件100万円程度と見積もってください。
その費用で構築ができたとしても、自社で運用したりカスタマイズしたり定着するのは、別のフェーズになりますので、そのフェーズも外部のサポートを受け続けるなど、継続的に費用を拠出できる企業は、セールスフォースをおすすめします。
BtoCを展開する構築、運用未経験の企業はキントーンがおすすめ
BtoCで展開する全ての法人や、BtoBで展開する法人であっても、構築や運用に大きなコストを捻出し続けることが難しい法人は、キントーンの方が望ましいです。
特に、
- マイクロ法人と呼ばれる従業員数名以下で運営する売上数億円規模までの営利企業
- 日本に存在する全てのNPO法人(広義でのマイクロ法人)
は、キントーンの方がおすすめになります。
私はBtoCで展開するマイクロ法人でセールスフォースを導入していますが、それは例外で、
- 私自身がセールスフォースの構築、運用経験があり内製化できる
- 1人で事業を回す体制で複数アカウントを作成する必要がなく、利用料が月3,000円程度に抑えられる
2つの条件を満たしているため、セールスフォースを活用しているという経緯です。
以上を参考にした上で、それぞれの法人に適したツールを選んでもらえたら幸いです。
DX成功の定義から逆算して違いを理解しよう
そもそも、セールスフォース、キントーンともに、DXを成功させるために活用するツールになりますが、DXの成功とは、
初期構築、定着、更に他業務に適用範囲が拡大する
という形で、複数のフェーズがクリアできて、初めて成功といえるかと思います。
そう考えると、総じて、キントーンの方が向いている法人が多くなるというのが、2ツールを構築、運用経験がある私の意見です。
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ありがとうございました!それでは、今日もよい一日を。