グーグルフォームやスプレッドシートの無料ツールを利用して、業務を行っているNPOに朗報です。
kintone(NPOだとなんと、年間9,900円で利用可能!)をどのように活用すればよいか分からない、だから導入や活用ができない、そんな悩みはありませんか?
そんなNPOのために、実際のNPOでのkintone活用事例をご紹介しますので、ぜひ、kintoneがどのようにNPO経営に役立つことができ、どんな機能を活かして構築するのか?について、具体的にイメージしてもらえたら嬉しいです。
日本こども支援協会が開始した里親保険は80年以来の里親支援の在り方を大きく変える可能性がある
今回は、日本で唯一里親(虐待等で親と離れて暮らす子どもを実親の代わりに支えて下さる方々)さんが必要な支援を形にして、次世代への虐待連鎖予防の仕組みづくりを推進している、日本こども支援協会の事例をご紹介します。
日本こども支援協会は、保険市場で有名なアドバンスクリエイト様と提携して、23年4月より里親保険事業をスタートし募集を始めています(NPO初の試みです)。
実は、行政から委託を受けて里子を養育する里親さんの中で、無保険の方が多数存在しているという状況があります(様々な事情が絡んでいます。)そういった状況を何とかしたいという、代表の思いから実現したのが、今ご紹介している里親保険事業になり、業界的には非常にインパクトがある事業となっています。
里親保険業務の全体像は、以下の通りです。
上記の業務の中で、kintoneを活用することで、どんなことが実現できたのか?どんな機能を活用しているのか?について、一部抜粋して解説していきます。
里親保険業務をキントーン活用することで実現できた事|チームで必要な業務の効率最大化
kintoneで実現できたことは、主に4点あります。
①保険申込みが新たに発生し、WEBフォームに情報が入力されたら、kintoneに情報が自動保存される
②上記①新規保険申込があったら担当者だけに自動で通知が飛ぶ
③担当者のメールアドレスに通知が来るので、タイムラグなく対応ができる
③申込者の手続き状況が一覧化され、初回受付事務の進捗状況が一目で分かるようになる
④すべての里親情報を管理しているアプリと自動連携して誰が保険に加入しているかが判別できる
それぞれについて、詳しく解説していきます。
①保険申込みが新たに発生し、WEBフォームに情報が入力されたら、kintoneに情報が自動保存される
里親保険は、募集をWEBサイトで行っていて、保険加入希望者の最初の受付をWEBフォームで行っています。
上記WEBフォームに情報が入力されたら、kintoneに自動的にその情報が保存される仕組みを実装していて、kintoneの拡張機能(=プラグイン)を提供されている、トヨクモさんのフォームブリッジを活用することで、WEBフォームとkintoneをつなぎこむことが実現できています。
フォームブリッジで実現できている事を更に詳しく記載すると、以下になります。
A:WEBフォームの情報が自動でkintoneに保存される
B:ステップフォーム(ページを複数に渡って入力してもらえる)を活用し、フォームに入力する里親さんががなるべく迷わずに情報を入力できるようになる
C:WEBフォーム入力時に里親審査に必要な書類添付も可能で、審査に必要な情報を一気に取得できる
こういったことが実現できています。
フォームブリッジは、スタンダードプランに加入していて、月額9,000円必要となっています。
便利だけど料金の負担がちょっと。と思われるNPOは、フォームブリッジとほぼ同じ機能を実装でき、料金が月額3,000円のじぶんフォームをご参考ください。
【グーグルフォームからの卒業】kintoneとフォームをつなぎDXを実現の動画で詳しく解説をしています。
②新規保険申込があったら担当者だけに自動で通知が飛ぶ
里親保険の新規申込があったら、以下のことがkintoneで自動的に実行されます。
・新規申込があれば担当者のメールアドレスに通知が来るので、タイムラグなく対応ができる。
・申込の進捗ごとに、一覧で表示されるので、誰が何処まで進んだか誰でも分かる
それぞれについて解説していきます。
③新規申込があれば担当者のメールアドレスに通知が来るので、タイムラグなく対応ができる
里親保険の新規申込があったら、その都度、なるべく早く申込をして下さった里親さんへの対応が必要になりますが、そのために、kintoneの通知機能が役に立っています。
新たな里親保険の申込があったら、以下の文章が自動的に担当者のメールに飛ぶようになっているので、担当者はすぐに里親さんからの新規申込を認識し、対応ができるようになっています。
通知の詳細を知りたい方は、以下の動画で詳しく解説していますが、通知は、kintoneにあって、エクセルにはない機能の代表例になるので、エクセル中心に業務を運用しているNPOは、ぜひ知ってもらいたいです。
④申込者の手続き状況が一覧化され、初回受付事務の進捗状況が一目で分かるようになる
里親保険の申込があった人は、必要書類が未提出な人、審査を行っている人、審査が終了した人という形で、様々な進捗状況の方が存在しますが、現在、どこまで進捗しているかを、kintone上で一覧化できるようになっています。
一覧の機能は、エクセルのフィルタと似たような機能とイメージしてもらえたら分かりやすいかと思いますがフィルタ機能と異なる点は、
・一覧はいくつも作成できるので、予め設定すれば、この条件に当てはまる人だけを一覧化したいが柔軟にできる
・この条件に当てはまる人だけを抽出する、だけではなく、みたい項目だけ絞って一覧化するが実装できるので、不要な項目が表示されず分かりやすい
・kintoneに加えてメールワイズ(メーラー)を導入していれば、一覧で抽出した人に対して、一斉にメール送信をすることができる
といった点が挙げられます。
⑤すべての里親情報を管理しているアプリと自動連携して誰が保険に加入しているかが判別できるようになる
日本こども支援協会は、自主事業の利用者である里親さんに関して様々な支援(=サービス)を提供していますが、ほぼ全ての情報をkintoneに集約することで、里親さんのことを法人全体で深く理解できる体制が実現できています。
例えば、
・日本こども支援協会が里親さんの支援として提供しているONELOVEというサービスに会員登録する(=里親会員)
・里親の養育に役立つオンラインセミナーに参加する
・里親保険に加入する
という形で、それぞれ異なる業務を運用していて、各業務に応じたフォームや、kintoneで情報が溜まる受け皿(=アプリ)はバラバラになっているのですが、kintoneの独自機能として、アプリとアプリを自動連携ができる機能があるので、バラバラで受けている情報を一元化して、里親さんの情報を体系的に理解することができるようになっています。
情報の一元管理について知りたい方は、以下の動画をご参考ください。
グーグルフォームやスプレッドシートでやった場合|様々な課題が発生する
里親保険業務のkintone活用事例をご紹介してきましたが、同様の仕組みはもちろん、グーグルフォームやスプレッドシートでも実装ができるのですが、以下の点が課題として挙げられることが想定されます。
- ・里親さんから保険の応募があった場合、通知を受け取る必要のないスタッフも通知を受けてしまう
- ・里親さんの情報が様々なスプレッドシートを見ないと分からなくなってしまう
- ・メールを送るのに、スプレッドシートのアドレスをGメールにコピペして送信するのが手間になる
- ・里親保険に加入されている方だけを対象に一斉メール送信をしたい場合、1人1人にメール送信をしないといけない
- ・保険の手続き状況のステータスが変更になった場合、他に業務を担当しているメンバーに自動的に情報が共有されずに、チャット等で連携が必要になる
上記の課題を踏まえると、確かに利用方法など分からない部分があるけど、初期構築に要する労力を割いても長い目で見るとkintoneで運用する方が得策だと判断されるNPOは多いのではないでしょうか?
まとめ
今回の事例は、自主事業に関する業務の効率最大化をkintoneで実現できた事例のご紹介でした。
様々な自主事業を行っているNPOは、同じような仕組みを導入することはできるはずですので、ぜひ、kintone導入や積極活用にチャレンジしてみてください。
kintoneを導入したいけど、プロに伴走してもらいたい、自団体で段階的に内製化するまでの間だけお手伝いしてもらいたい、といったご要望があれば、ぜひ奏ワークスにご相談ください。
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以上です。ありがとうございました。
それでは、今日もよい一日を。