NPO経営の課題|ヒト、モノ、カネが不足する法人格でスケールが難しい

NPO法人の代表や事務局長は、NPOを経営する中で、頑張っているのに事業が大きくならない、どれだけ運営していっても自分たちが楽になるイメージが湧かない、なんてことはありませんか?

そもそもNPOは、民間企業に比べて、事業を大きくしたり、持続可能な体制を実現することが難しい法人格なのですが、その根拠を理解しないまま、NPOに関わっている方が非常に多いのが現状です。

このブログでは、NPOを経営する上で役立つ情報や、ここだけは抑えて欲しいというポイントをまとめてご紹介させていただきます。

目次

ヒト、モノ、カネが集まりにくいのがNPO経営最大の課題

経営において、ヒト、モノ、カネが重要だという話を聞かれた方は多いかもしれませんが、NPOは、ヒトもモノもカネも集めることのハードルが高い法人格になります。

そのことが理解いただけるよう、

①ヒト、モノ、カネという言葉のうち、モノというのをサービスに置き換える
②カネ、サービス、ヒトという順番で経営課題を考える

の2工程で、NPO経営の課題を誰もが理解できるように、情報を整理してお伝えしたいと思います。

NPO経営の課題カネ編|資本金がないので法人基盤が整わない


株式会社の場合は、資本金という概念があり、立上げ間もない法人であっても、サービスを構築したり、サービスを構築するための人を雇ったりするために、資本金を財源として活用することができます。

資本金がある
→サービスを構築するための必要経費を支払ったり、良いサービスを構築するための人を雇うことができる
→売上0でも、売上を上げるための土台を整えることができる
→サービスを構築して、売上が上がるようになる

というプロセスを辿ることができるのが株式会社になります。

対して、NPOの場合は、資本金がないため、法人としての最初の土台を整備するため、法人の代表などがボランティアで事業構築するという展開しか見込めないということになります。

ですので、株式会社と比べて、法人開始時から大きな課題を抱えたまま、事業立上げフェーズを乗り切らないといけないのがNPOという法人格になります。

NPO経営の課題サービス編|受益者向け、支援者向けの2サービス提供の確立が必要


NPOは、民間企業と比べて、受益者(=サービスを受ける人)、支援者(=寄付者やボランティア)という、異なる属性に対して、サービスを提供しないと、事業規模を拡大できないという法人格になります。

この特徴は、法人規模が大きくなっても変わることがなく、どれだけNPOの規模が大きくなっても、効率が悪いという状況が永続することが、NPO経営の課題として、NPOである限りずっと向き合わないといけないということになります。

受益者向けサービスは企業が行うサービスとほぼ同じ

例えば、どんなサービスを受益者向けに提供が必要かというと、

  • 学習塾を運営するNPOが、学習支援事業を行う
  • 子ども食堂を運営するNPOが、食事を提供する事業を行う
  • ホームレス支援事業を行うNPOが、職業訓練事業を行う

という形のサービス(=役務)が提供されることになります。

こららのサービスは株式会社、NPO、どちらの法人でサービス提供が可能で、NPOとして特段メリットを受けられるわけでなく、NPOの方が不利になり、売上が立ちにくい構造になっています。

支援者向けサービスは寄付者へのお礼、フォロー、定期報告等

支援者向けのサービスとは、寄付者やボランティアに対して、

  • 支援するための寄付メニューを用意する(クレカ、クラファン、物品寄付等)
  • 支援してくれた人に活動報告や領収書発行等を行う
  • 支援者の情報を適切に管理するデータベースを整える(セールスフォースやkintone等)

といったことが提供すべきサービスになります。

こういったサービスを体系的に用意するためには、専門家の知識がないと適切な構築はほぼ不可能となっていて、支援者向けのサービスが適切に提供できていない法人が90%以上というのが、私の肌感覚です。

体系的にサービスを構築するとはどういった事なのか?なぜ専門家の知識が必要なのか?については、以下の動画をご参考いただければご理解いただけるかと思います。

NPO経営の課題ヒト編|お金以外のモノサシで関わり続けてもらう体制構築が必要

NPOのヒトに関する最大の課題は、お金以外のモノサシで長く関わり続けてもらえる体制を構築するのが難しい、ということです。

例えば、

イベント運営などを手伝ってもらえるボランティアを募集する等は、比較的実現しやすいですが、
NPOの経営基盤を支えてくれるボランティアを募集しても、募集要項に適した人材が来ることは、ほぼ実現しないでしょう。

なぜなら、後者の人材は、時給1万円以上等の高単価で、株式会社等を対象に役務を提供することで報酬が得られるため、その人材がNPOにボランティアで関わるということを選択する状況は、よほどNPOの理念に共感したり、NPOの事業に可能性を感じない限り、選んでもらえないのです。

NPO経営は課題だらけなのを前提になぜNPOをやるべきかを考えよう

以上を踏まえて、私は思い先行でNPO法人を立上げたり経営することを、推奨はしていません。

NPOを立上げ、経営するにしても、NPOだけに100%自分の労働力のリソースを投下せずに、時間をかけて、ゆっくりと仕組みを構築していくことをおすすめします。

あるいは、専門家のチカラを借りて、体系的にノウハウを借りて法人の基盤を整えたり、時間をお金で買うために投資したりする、という施策がおすすめです。

NPO経営に必要なノウハウを知りたい方は、奏ワークスのLINEに登録して可能な範囲で情報収集していただければと思います。

NPO経営の組織基盤をてっとり早く整えたい、現事業の効率性を高める等の内部変革を行うために、プロに依頼したいというNPOの経営者や事務局長は、正味財産が多少減少しても、適切な価値やメリットを提供できますので、奏ワークスにお問い合わせください。

以上です、

それでは、今日もよい一日を。

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この記事を書いた人

法人営業7年→子育て系NPO勤務6年のキャリア後、2019年4月に独立。WEBマーケやCRMを軸に、体系的に売上増大や業務軽減を実現できるコンサルティングを行う。働くテーマは虐待予防の仕組みづくり。プライベートでは3児の父であり、琵琶湖で釣りガイド&ゴムボート販売業を営む会社も経営。自身の経験を活かし、皆様に役立つ情報発信に努めます。

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