セールスフォースの難しさを構築運用経験者が語る|NPOを中心とした法人定着の壁

大手NPOはみんなセールスフォースを使っているからセールスフォースを導入したけど、全然使い方が分からない。

セールスフォースを導入したけど、十分に活用できていない。

私が10年以上NPOキャリアで働く中で、上記のような声を聞いてきました。

なぜセールスフォースが難しいのか?NPOに適さないのか?という所について、ポイントをご紹介しつつ、セールスフォースの競合に当たるキントーン(kintone)の良さについてもご紹介していきます。

目次

初期構造が法人向けで組まれていて対個人向けの顧客が多いNPOには適さない

セールスフォースは、法人営業を行う企業等が、売上最大化するために特に強みがある構造のサービスである。ということをご存知でしょうか?

この考え方に基づき、セールスフォースの初期設定では、取引先、取引先責任者、取引開始というような専門用語が設定されています。

対して、NPOを運営する場合は、法人と取引があるNPOの数は圧倒的に少ないという状況で、対個人向けにセールスフォースを導入する場合は、カスタマイズをしないといけない作業が必然的に増えることになります。

NPOの顧客である受益者(=サービスを利用する人)は、ホームレスの方や貧困で困っている人等、不登校の子どもを抱えて悩んでいる人、等、基本的に個人である場合がほとんどです。

NPOのもう一方の顧客である支援者は、個人寄付者やボランティアがほとんどであり、法人の寄付者も一定数いるNPOもありますが、中規模以上のNPOでないと法人が寄付してくれる可能性が低いので、支援者も対個人を中心に考えるというのが基本になります。

もちろん、セールスフォースの構造を理解して対個人向けにカスタマイズすることはできるのですが、カスタマイズするためにはNPO専用のパッケージに申し込んだり、初期費用を払ってプロに構築してもらう必要があるので、初期導入段階からNPOにとってセールスフォースは壁がたちはだかることが多いという事を、抑えてください。

導入した後に不明点がある時に自分たちで解決できる環境が整っていない

どんなITツールも導入して終わりではなく、自分たちで使ってみて疑問点が出てきてその時に解決策が見つかる、という形で定着の壁を乗り越えることが重要になります。

この定着の壁を乗り越えるためのハードルが、セールスフォースが高いという状況なのですが、以下2つの観点で詳しく解説していきます。

カスタマーセンターに電話で質問ができない

疑問点がある際、カスタマーサービスにメールで問合せするのと、電話で問合せする、どちらの方がありがたいでしょうか?

どんな問合せをするのか?に寄ると思いますが、電話で問合せもメールで問合せもできる方が、ありがたいですよね。

セールスフォースを使っていて、疑問点が出てきた場合、実は初期相談はメールで問合せするしか選択肢がありません。(正確にはセールスフォースの所定のWEBフォームで問合せするのが初期相談の方法になります)

ですので、さっと電話で問合せして解決をしたい、が叶わずに、分からないことが分からないままになってしまう、というのがセールスフォースの難しさの一つになります。

Q&Aが分かりにくい

今はグーグル先生全盛期であり、分からない内容があれば自分たちでググって調べて解決する、ということをされている方は多いかと思います。

わざわざカスタマーサービスに問合せをしなくても、セールスフォースのユーザーが疑問点に対する答えを見つける仕組みとして、Trailheadというオンライン学習サイトがあるのですが、こちらの内容が分かりづらく、ネットで検索して自己解決ができるという環境が整っているとは言い難いという状況です。

以上のように、セールスフォース側の観点で、NPOが導入、定着しにくい要因をご紹介してきましたが、NPO側にもセールスフォースを使いこなせていない要因はあります。

以下より詳しく解説していきます。

NPOがセールスフォースを活用してどんなシステムを構築すれば良いかのゴールが描けていない

セールスフォースは、業務の広範囲がカバーできる仕組みで、非常に多くの業務シーンで活用することができるサービスになりますが、できることが多すぎるが故に、どんな機能を、どこまでカバーするためにセールスフォースを導入すべきか?ということが、NPO側でほとんど理解されていないという状況があります。

  • 受益者、支援者誰に対して導入するのか?
  • 現在利用しているツールを補完してどの業務をセールスフォースで対応するのか?
  • どんな立場の人がどこまでの権限で利用するのか?

本来であれば、セールスフォース導入以前に、このようなことをNPO側で明確にする必要があるのですが、自分たちだけでは要件を定義することができない、というのがNPO側が乗り越えないといけない最大の壁になります。

セールスフォースではなくkintoneがNPOにとっての最適解


セールスフォースの難しさについてご紹介してきましたが、kintone(キントーン)であれば、セールスフォースよりも難しくなく、上記で挙げた壁を乗り越えられる環境がと乗っています。

例えば、

  • 分からないことはカスタマーセンターに電話で聞き放題
  • ガイドブックや利用シーンごとの活用事例がネット上にたくさん公開されている
  • 使い方自体が簡単で自分たちでもカスタマイズがし易い

という特徴が挙げられますので、そもそも、NPOはセールスフォースではなくkintoneを導入する方が適している、というのが、セールスフォースもkintoneも導入、運用したことのある経験で得た結論になりますので、ご参考いただければ幸いです。

もっと詳しくセールスフォースの難しさの根拠やNPOに適したツール選定について知りたい方は無料相談可能

以上のようにセールスフォースは、NPOの基盤整備に当たる業務をカバーしてくれる重要ツールなのですが、様々な観点で自力導入、他ITツールを活用しながらの最適導入は難しいのが現実です。

  • 現時点でセールスフォースを導入しているNPOがシステムの見直しを行う上で、最適化について相談したい
  • 職員数や寄付者数が少ないが、活動が大きくなった時も含めてどんなシステムのあり方が最適なのかを知りたい
  • セールスフォースやkintoneの違いについてもっと詳しく知りたい

そんなリクエストがあれば、ぜひ奏ワークスの1時間無料相談をご利用いただければ幸いです。10年以上のNPOキャリアと20団体以上のコンサル経験に基づき、できる限りお役に立てるよう、アドバイスさせていただきます。

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この記事を書いた人

法人営業7年→子育て系NPO勤務6年のキャリア後、2019年4月に独立。WEBマーケやCRMを軸に、体系的に売上増大や業務軽減を実現できるコンサルティングを行う。働くテーマは虐待予防の仕組みづくり。プライベートでは3児の父であり、琵琶湖で釣りガイド&ゴムボート販売業を営む会社も経営。自身の経験を活かし、皆様に役立つ情報発信に努めます。

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