NPOにとって、非常に重要なテーマであるファンドレイジング。
戦略的にどのように自団体で実践すれば良いか、分からないNPO担当者は非常に多いかと思います。
様々な情報が溢れ返る中でここだけは抑えてほしい、という重要な論点をまとめましたので、ぜひファンドレイジングの戦略を考える上で、参考にしてもらえたらと思います。
①すべてのNPOがファンドレイジングで大きな成果を上げることができるわけではない事を理解する
実は、どの団体も教科書通りのファンドレイジングを行えば、等しく成果が挙げられるのではない、という事実をご存知でしょうか?
これは、私が20団体以上のファンドレイジングを経験する中でわかった、全てのNPOに知ってもらいたい情報です。
NPOのファンドレイジングの成果を定義する、最上位の要因は、事業ドメインです。
どんな事業を行っているのか?寄付を何に活用するのか?次第で、ファンドレイジングの成果は大きく変わってきます。
例えば、災害、貧困、虐待、動物愛護等、等の事業を行っているNPOは寄付を集めやすく、LGBT、まちづくり、環境保全、等の事業を行っているNPOは、寄付は集めにくいのです。
上記を踏まえて、どの程度、寄付財源を見込むのか?、ファンドレイジング戦略を考える上で、最も重要になります。
②新規よりもリピート寄付の最大化を重視するための体制を考える
どのNPOもついつい、いかに新規の寄付者から寄付をいただけるのか?を最優先してファンドレイジングを行いがちですが、実は、いかに1度寄付してくれた寄付者からリピート寄付をいただけるのか?を重視して、戦略的に実践することが大切です。
その根拠は、5:1の法則で、寄付だけに限りませんが、一般的に新規顧客の獲得に要する費用と既存顧客からリピートしてもらえる場合のコストを比較した場合、新規の方が5倍コストがかかると言われています。
もちろん、新規の人が寄付をしてくれることは重要ですが、1度寄付をしてくれた方に、寄付をしてくれた直後からお礼や適切な活動報告を行う体制づくりが整えることを大切にする方が、労力を抑えて、寄付収入の最大化に繋がるという事を抑えてください。
ドナーピラミッドは上がらないという認識を持つ
ドナーピラミッドは、寄付見込者等の参画度合いが上がっていくことを前提に紹介されていることが通例ですが、実は、ドナーピラミッドは上がらないと考えるべきだという認識を持ってもらうことが大切だと、私は考えます。
物品寄付をした人が単発寄付をして、やがて、マンスリーになってくれると、ドナーピラミッドの通例では考えがちですが、決してそうではありません。
例えば、NPOの活動に共感するが経済的な余裕がない人が物品寄付で応援する、それが現実だったりするので、NPO運営側が望む寄付手段にシフトしてくれる事を前提に、ファンドレイジングの戦略を立案すべきではないと、私は考えます。
参照:ドナーピラミッドで寄付実績を伸ばすためにkintoneを活用する
ビジョンを達成する手段として寄付集めの必要性を定義する
助成金や自主事業の財源が限られていて、活動が広がっていかないから、ファンドレイジングにチャレンジしたいと考えるNPOは、非常に多いですが、それはあくまで運営側の都合であり、そのロジックを打ち出しても、寄付は決して集まらない事を理解してください。
NPOが目指したい社会を実現する手段として寄付が必要だ、その点が訴求できない限りは、どんなNPOであっても寄付集めを行ってはいけない、ファンドレイジングのスタートラインに立てていない、という事を覚えておいてください。
ファンドレイジングの戦略は
WHY
WHO
WHAT
の順番で考えるというのが大切になります。
寄付募集と寄付者管理をセットで実装する最適手段を実装する
ファンドレイジングで最も重要な事は、ファン度を高めるです。
ファン度を高めるためには、1度寄付をしてもらった後、適切に感謝、報告を継続し続ける体制をつくる必要があり、そこを叶えるために寄付者の管理システムを整える必要があり、以下のような要件を寄付者管理システムでは満たす必要があります
- 寄付者へのお礼〜認定NPO法人の監査要件を満たすための適切な領収書管理
- 支援者(寄付者やボランティア)、受益者の情報が一元管理されている
- 寄付者の累計寄付金額、累計寄付回数などの寄付決済履歴が1箇所に集約&可視化されている
- 寄付決済履歴だけでなくメール送信履歴等も1箇所に集約&可視化されている
- 寄付者が寄付以外の形で団体に参画してくれる(例えばセミナー等)状況も1箇所に集約&可視化される
- 単発、継続寄付者の月次、年次の実績、継続寄付者の退会状況などの分析ができる
等
上記を自団体で実装するのは無理だと判断し、自団体が寄付売上を大きくできる可能性を秘めているのであれば、できればファンドレイジング事業開始直後からシステム体制を整備することが、戦略的に求められます。
寄付金募集システムについて知りたい方は、寄付金管理システムに必要な要件の定義|20団体以上のコンサル経験を基にをご参考ください。
ファンドレイジングの戦略は専門家と一緒に立案しよう
戦略とは、戦いを省くことです。
お金の出し手に直接的なメリットがなく、季節需要が見込みにくい寄付というサービスは、一般的な企業の商品と比べるとハードルが高く、どの分野のファンドレジングであればどの規模まで到達できそうなのか?の目安を知り、目安に応じてファンドレイジングに必要な施策が何が適切なのか見極めることが寛容です。
- 細く長く少ないスタッフでファンドレイジングを推進する
- 一定段階で事業が大きくなる前提でファンドレイジングを推進する
上記の目利きを行い、ファンドレイジングを計画立案するには、自団体ではなく専門家の力を借りることを心がけましょう。
累計寄付実績3億以上、20団体以上以上のコンサル経験がある私でよければ、1時間無料で対応して、ファンドレイジングの戦略立案のアドバイスができますので、ご検討いただければ嬉しいです。
以上です、記事を読んで下さりありがとうございました!
今日も良い一日を。